現代はストレス社会であり、「うつ病」にかかる人が増えています。もしも近くにそのような方がいたら、接し方に気をつけるべきです。自分から意見するより、話しを聞いてあげる姿勢で対応すると、うつ病を抱える人の負担が減ります。
気分が重く沈んだまま、それが何週間も続くのがうつ病の顕著な特徴で、それによる疾患は精神に出るほか、体に出る場合もあります。精神面に現れますと、気分がむなしく落ち込み、激しい悲しみや、えも言えぬ不安感に包まれるといった状態になるのです。これらの症状はどなたでも普通に起こりますが、趣味や気分転換で立ち直るなど、日常生活に影響が出ることは殆どありません。しかし、うつ病では自分が好きな筈の趣味を行っても楽しさを感じられず、気分転換はおろか、物事に対する意欲が消失している状態に置かれています。仕事や学業にもやる気が起きず、仕事力の低下をはじめ、遅刻や欠勤も頻発するなど、普段の暮らしに直接支障が出てくるのが特徴です。この場合は専門医による治療が必要ですので、できれば悪化する前に精神科や心療内科へ訪ねておきましょう。また、うつ病では食欲が乱れるのも特徴となっており、全く食べたくない場合や、食べても満たされることなく食べ続ける場合もあります。あるいは特定の食べ物ばかり食べるなど、とにかく普通とは違った状態になるのですが、うつ病に掛かる人は、幾つかの栄養が不十分であることも示唆されています。主にビタミンB群や葉酸、それにトリプトファンなどの不足が指摘されているため、うつ病の接し方では、それらの栄養を積極的に取り入れるのも大切です。同様に、鉄分が不足しているのもうつ病の人に多い特徴で、鉄分が不足した場合は疲れやすくなったり、集中力の低下や無関心を引き起こしたりするなど、うつ病特有の症状が出やすくなります。うつ病との接し方では栄養摂取も外せないアプローチですので、バランスの良い食事を心掛けたいところです。特に出産後に見舞われるうつ病は、お産の際に多くの血液が失われることから、その鉄分不足が関係しているともされています。一方、うつ病の人に対する接し方ですが、うつ状態では感受性が過敏になっている側面もあるため、その点に配慮しましょう。この病気を抱えている人は、精神に相当なダメージを負った後のため、何気ない一言がプレッシャーとなり、症状を悪化させるリスクがあります。接し方として、特に禁物となっているのが、励ましと否定です。普通であれば励ますことでやる気を与え、ポジティブな叱咤では勇気や決意を引き出してくれますが、うつの人にその効果は望めません。例えるなら、それらの言葉は風邪をひいている人に氷水を浴びせるようなものですから、如何にリスクを伴うかが分かります。そこで、口に出す前に1度良く考え、該当する場合はその言葉を浴びせないようにしてください。
うつ病は非常に難しい精神疾患なので、発症してしまったらすぐに専門の病院に連れて行かなくてはいけません。周囲の人達は接し方をしっかり学び、発症してしまった方がなるべく早く回復できるように協力していきましょう。